jijiが選ぶ「身体に馴染むお砂糖」の種類
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甘いお菓子を一口食べたとき、鼻に抜ける豊かな香りや、後味の余韻。その「美味しさの輪郭」を決めているのは、実はひとつひとつ使い分けているお砂糖たちです。
「お砂糖ってどれも同じ『甘さ』だと思っていたけれど、実は種類によってこんなに表情が変わるの?」「素材の味をもっともっと引き立てるには、どのお砂糖が一番合うんだろう?」
私たち「喫菓jiji」では、一般的に使われる白砂糖ではなく、素焚糖(すがきとう)やてんさい糖、産地ごとの黒糖などを使い分けています。それは、これらのお砂糖が持つ独自のコクやミネラル分が、jijiのお菓子の「素材の旨みを引き出す」役割をしてくれるからです。
今回は、甘いだけではない、お砂糖それぞれの「表情」についてお話しします。jijiの棚に並ぶお砂糖たちの個性を知って、次のお菓子選びがもっと楽しくなれば嬉しいです。
お砂糖選びは、お菓子の「表情」を決めるもの
お砂糖は、単に甘みをつける道具ではありません。生地をサクッとさせたり、しっとりさせたり、時にはキャラメルのような深いコクをプラスしたり。jijiがお砂糖にこだわる一番の理由は、「素材そのものの美味しさを、最大限に引き出したい」という想いにあります。
「この味が好き」から始まった、お砂糖の選択
jijiでお出ししているお菓子には、白砂糖を使用していません。それは白砂糖を否定するのではなく、私たちが一つひとつの素材と向き合ったとき、精製されていないお砂糖が持つ「複雑で奥深い風味」に強く惹かれたからです。
サトウキビやてん菜の力がそのまま残ったお砂糖には、角のない「丸みのある甘さ」があります。この穏やかな甘さが、jijiが大切にしている麹や酵母、季節のフルーツの味を邪魔することなく、そっと支えてくれるのです。
「私たちが大切にしているのは、『美味しさ』『安心感』です。一口食べて『あ、美味しいな』と心がほどけるようなお砂糖を選んでいます。結果として、それが皆さまにとって安心して口にできるものであれば、これ以上に嬉しいことはありません。」
素材を活かす「ミネラルと風味」の隠し味
精製されていないお砂糖には、特有の芳醇な香りやコクがギュッと詰まっています。これは、いわば自然がくれた「隠し味」。この旨みを活かすことで、お砂糖の量を控えめにしても、満足感のある豊かな味わいを生み出すことができます。
「甘いけれど、素材の味がしっかりする」。そんな心地よいバランスを、お砂糖の個性を借りて丁寧に作り上げています。
jijiの棚に並ぶ、個性豊かなお砂糖たち
jijiでは、作りたいお菓子の食感や風味に合わせて、6種類のお砂糖を使い分けています。それぞれのお砂糖が持つ「得意なこと」を知ると、お菓子を口にしたときの感じ方が少し変わるかもしれません。
素焚糖(すがきとう):クッキーを支える優しい甘み
サクッと軽やかな食感のクッキー生地に使っているのは、素焚糖です。このお砂糖は、主張しすぎない柔らかな甘みが特徴。小麦の香ばしさやナッツの風味を、後ろからそっと支えてくれる「名脇役」のような存在です。
てんさい糖:食感と馴染みで使い分ける
北海道のてん菜(ビート)から作られるてんさい糖。jijiでは粒の大きさが違うものを使い分けています。例えば、スコーンなどの「さっくり、ざっくり」とした食感を楽しんでいただきたいお菓子には、粗めのてんさい糖を。この一粒一粒が、美味しいアクセントになってくれます。
反対に、生地にスッと馴染ませてしっとり仕上げたいときは、細かめのものを選びます。理想の食感のために「粒の大きさ」までこだわるのが、jiji流の美味しさの作り方です。
産地で変わる黒糖:力強いコクをスパイスに
キャロットケーキやシナモンロールに欠かせないのが、深いコクを持つ黒糖です。宮古島産や鹿児島産、そして加工黒糖など、数種類をストックしています。産地によって塩味の感じ方や香りの強さが違うため、合わせるスパイスや素材に合わせてブレンドすることもあります。
「お砂糖の違いを知ると、なんだか難しく感じるかもしれませんが、まずは『美味しいな』と楽しんでいただければ十分です。私たちは、皆さまが安心して手を伸ばせるよう、一つひとつの素材を責任を持って選んでいたいと考えています。」
日常のなかで、ちいさな「発見」を楽しむヒント
jijiでお砂糖を使い分けているように、お家でもほんの少しだけ種類を変えてみると、いつもの時間がちょっとだけ特別なものに変わるかもしれません。お砂糖はただ甘くするだけでなく、お料理や飲み物を美味しくしてくれる「魔法の素材」のような存在です。
いつもの一杯が、もっと美味しくなる魔法
例えば、午後のコーヒーにいつもとは違う黒糖をひとかけ入れてみたり、ヨーグルトにてんさい糖をパラパラとかけてみたり。ほんの少しの変化で「あれ、いつもより風味が深いかも!」という嬉しい発見があるはずです。
もし興味が湧いたら、スーパーの棚でいつもとは違う表情のお砂糖をそっと手に取ってみてください。自分好みの甘さを見つける時間は、自分を慈しむ「穏やかなひととき」に繋がっていきます。そんなちいさな冒険が、暮らしをふんわりと明るくしてくれるかも。
「お砂糖の種類や粒の大きさを変えるだけで、本当にお菓子の『表情』って変わるのかな?」
お砂糖と発酵、ふたつが合わさって生まれる「jijiの味」
jijiがこうしてお砂糖の個性を大切にしているのは、もうひとつの主役である「麹」や「酵母」との相性を考えているからでもあります。実は、厳選したお砂糖と発酵の力は、とっても仲良し。お砂糖が持つ本来の旨みを、発酵の力がさらに引き出し、奥行きのある美味しさへと育ててくれるのです。
お砂糖の「丸みのある甘さ」と、発酵による「豊かな風味」。このふたつが組み合わさることで、素材の味が主役の、身体にスッと馴染む優しさが生まれます。美味しいお砂糖と発酵が出会って生まれる「jijiの味」を、ぜひゆっくりと楽しんでいただければ嬉しいです。
「実は店主の私も、製菓学校時代に甘いものをたくさん食べすぎて、一度甘いものが苦手になってしまった経験があります。その時に感じた『身体の重さ』があったからこそ、今のjijiの『身体にスッと馴染む、優しい甘さと消化の良さ』にたどり着きました。自分が心から心地よいと思える美味しさを、皆さまにも安心感と一緒にお届けしたいです。」
頑張る毎日のそばに、優しい甘さを一粒
お砂糖の種類や、お菓子作りの背景にあるお話にお付き合いいただき、ありがとうございました。一つひとつのお砂糖に個性があるように、私たちの毎日にも、いろいろな色やリズムがあると思います。
心と身体がホッとする時間を届けたい
忙しい日々のなかでは、つい自分のことを後回しにしてしまったり、ふと下を向いてしまったりする瞬間もあるかもしれません。そんなとき、jijiの焼き菓子があなたのそばで、そっと背中をさするような存在になれたら……そう願いながら、今日も丁寧にお菓子を焼いています。
今回ご紹介したお砂糖たちの「優しい甘さ」が、あなたの心と身体を柔らかく解きほぐし、明日への小さなしあわせに繋がりますように。「美味しい」と「安心」が詰まった一粒が、あなたの毎日のお守りになれば嬉しいです。
「毎日のなかでは下を向いてしまうときもあるけれど、ちいさな焼き菓子たちは、頑張る毎日のそばで、そっとエールを送れるように。たくさんたくさん心を込めて作ります。この場所やお菓子で、少しでも上を向くお手伝いをできたら幸せです。」
お気に入りのお菓子があれば、
もうちょっと頑張れる気がする。